若狭塗箸
国内生産塗箸の80%以上を占める若狭塗箸。江戸初期、小浜の豪商が国外から入手した漆塗盆を、漆塗職人・松浦三十郎が模して作ったのが始まりとされている。その後、藩主の手厚い保護のもと卵殻金銀箔塗押の技法が完成し、若狭塗と命名。全国に数多い漆器産地の中でも、『若狭塗』は漆を幾重にも塗り重ねては研ぐという、“研ぎ出し”技法を用いており、極上漆を十数回塗り、貝殻・卵殻・金箔で模様をつけ、石や炭で研ぎ出し、数か月を要して作られる若狭塗は、独特の重厚感と風格を持ち、愛蔵家指向の家具、什器として幅広く愛用されている。