Search
街道の起点である湊町・小浜は、海外や日本海沿岸各地、都とつながる結節点として、様々な物資や人、文化が集まる一大港湾都市だった。
大きな交易利得を誇った小浜湊は、中世には禁裏御料所ともなっており、宮中や都との間に深いつながりを持っていた。歴代の国主や廻船業で栄えた豪商たちの下、国内外との盛んな交易や文化交流が展開された。
近世初頭には小浜藩主・京極高次により小浜市場が整備され、流通の一大拠点が気付かれた。鯖街道という通称は、「市場仲買文章」に残る「生鯖塩して担い京に行き仕る」という一文に由来するといわれている。
この地域には、廻船問屋の豪奢な邸宅・庭園、南蛮渡来の工芸技術に倣って発展した「若狭塗」や、京都祇園祭の系譜を引く「小浜放生祭」が開かれる小浜西組を中心とした城下町などがあり、南蛮貿易や日本海貿易で発展した湊町・小浜の雰囲気が色濃く残る。
若狭と畿内を結んだ街道、鯖街道のうち、最大の物流量を誇った若狭街道沿いには、古代の首長墳墓群から近世の宿場町まで、御食国若狭と鯖街道を代表する文化財が点在している。
若狭街道は軍事上も大きな役割を果たしており、戦国時代には織田信長が、豊臣秀吉や徳川家康を引き連れ、越前朝倉攻めに向かった。後の天下人たちが意気揚々と通った出世街道とも言える道なのだ。
近世中期以降、街道最大の中継地となった熊川宿。一日千頭もの牛馬が通ったとも言われる宿場町は、京都などに物資を運ぶ背負や馬借で大いに賑わった。
塗り壁の商家や土蔵など、現在も伝統的建造物が残る旧街道、集落には道標や街道松などが点在し、歴史的景観を彩っている。
◆お問合せ/0770-45-9111(若狭町総合戦略課観光交流室)
食にまつわる歴史・文化や伝承料理などを展示するミュージアム。郷土料理などを作り・味わうキッチンスタジオ(要予約)、伝統工芸を肌で感じる若狭工房では、若狭和紙の紙すき体験や、若狭塗箸の研ぎ出しも体験できる。また、温浴施設「濱の湯」では露天風呂から小浜湾を一望でき、若狭おばまの魅力をまるごと楽しめる。
若狭の海で獲れた、旬の魚介類、海の幸が味わえる割烹。“地産地消”を心掛け、大きな生簀にて魚を泳がせるので、まさに獲れたての味を堪能できる。冬季は越前ズワイガニや若狭とらふぐが楽しめ、予約なしでも注文が可能。
海を見ながら、四季折々の新鮮な小浜の魚と手作り料理がゆっくり味わえる「御食国若狭おばま食文化館」に隣接する食事処。鯖街道が日本遺産第一号に認定されたことを記念し作られた鯖街道御膳もオススメ。
鯖街道熊川宿の街道内中心にある、築180年以上の古民家をそのまま利用した店舗は、どこか懐かしい雰囲気を感じさせてくれる空間です。葛と鯖寿しにこだわった専門店で、若狭の気候と自然が育んだ美味しい水と素材で、作りたての葛もち・葛きり・葛ぜんざいは、葛の本来の味が味わえます。また、店主こだわりの製法による生サバのみを使用した自家製鯖寿しは有名で、絶品と多くの方から好評です。
熊川宿の入口にあり、町の景観に溶け込むような白壁の土蔵造の建物が目印。店内に並ぶ、若狭町の特産品である熊川くずや鯖寿司などはお土産にピッタリ。併設するお食事処「四季彩館」では、特産品の「熊川くず」を使った料理などが楽しめる。