Search
越前焼の歴史を紐解くと、その誕生は今から約850年前の平安時代末期に遡る。元々須恵器を焼いていた地域だったが断絶し、平安時代末期に常滑の技術を導入して
越前焼が作られ始めた。
製品としては主に壺、甕、すり鉢が生産されている。室町時代後期になると朝倉氏が居を構える一乗谷が地方都市として隆盛を迎えるのと同調するように越前焼も最盛期を迎え、陸路の他、河川、海と船を利用し、北海道南部から島根県の広域に流通していく。
こうして越前焼は日本海側最大の窯業地となっていった。
戦後、越前焼は瀬戸、越前、常滑、信楽、丹波、備前の、日本古来の技術を伝承する「日本六古窯」に数えられるようになった。また「越前陶芸村」の建設により、多くの陶芸家が全国から集まり、焼き締め陶のほか、現代の生活に密着した新しいやきものも作られている。なお、最初に窯が築かれたのは現在、「越前陶芸村」のある越前町小曽原だったといわれている。
越前焼の産地を地域開発の拠点として振興し、産業としての発展を目指すため、若い陶芸家の受け皿となるべく計画された「越前陶芸村」。都市公園100選にも選ばれ、広大な公園内には、越前焼を様々な角度から楽しめるスポットが多く点在。見て・作って・使って味わえる「福井県陶芸館」や、国登録文化財の貴重な品も展示される「越前古窯博物館」などがある。
見て学ぶ「資料館」や、作って楽しむ「陶芸教室」、使って味わう「茶碗」が揃い、越前焼のすべてを知ることができる。陶芸教室ではスタッフの指導のもと、手ひねりや、絵付けなどを気軽に体験することができる。旅の思い出や、プレゼントにもぴったり。また、館内にはミュージアムショップもあり、福井県内の陶芸家40人の作品を展示販売。普段使いの器から記念日のプレゼントまで、様々な越前焼が揃う。ここでしか買えない1点ものの作品も取り扱っている。
2017年10月に新設された越前陶芸村内の博物館。越前焼研究の第一人者で、名付け親でもある水野九右衛門氏が収集した、貴重な越前焼資料(国登録有形文化財)を展示する「資料館」、伝統的な古民家を移築した「旧水野九右衛門家住宅」(国登録有形文化財)、本格的な茶室「天心堂」「天心庵」から構成される。
県内外から約10万人もの人出で賑わう、「越前陶芸村」で開催される一大イベント。祭りのメインは県内の窯元が一挙集結する陶器市。新作をはじめ、リーズナブルな価格で越前焼が手に入る。またステージショーや茶会も開かれ、越前陶芸村を1日中満喫することができる。
「越前陶芸村」を会場に開催されるやきもの市。越前焼のみならず、他産地の焼き物も一同に介し、様々な焼き物の魅力を感じられるテント市。豊かな自然の中で焼き物に触れ、作り手とお客様が一緒にものづくりの魅力を体験し、気持ちの良い自然の中でおいしいグルメも味わえる、心おどるイベント。
越前焼工業協同組合の運営する窯元直売所。伝統的な自然釉の壺や花瓶をはじめ、日常使いに手頃な食器や茶器、また現代的な酒器やビアマグなどバリエーションに富んだ商品が常時約1000種類も並ぶ。六古窯のひとつである越前焼を直接買い求めることができる。
陶芸村のなかで、ひと際目を引く円形の黄色い建物が文化交流会館。展示されている越前焼作家のカップのなかから、好きな作品を選んでコーヒーが飲めるセルフカフェが人気。緑豊かな陶芸村の自然を眺めゆったり、器の感触も確かめながらコーヒーブレイクを。