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なかやま たくや
福井県出身。2005年の映画「青空のゆくえ」(長澤雅彦監督)主演で本格的にデビュー。TBS「日立 世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターとして活躍する他、映画東宝「神様のカルテ2」やNHK「カーネーション」等、多数の映画やドラマ、CMに出演。世界遺産検定1級の資格を取得するなど、日本はもちろん世界の歴史・文化についての知識も豊富で、趣味は登山やトレイルラン、野球観戦など。
ふくい魅力ハンターの中山卓也です。
福井県と聞いてどんなイメージが浮かびますか?
王道から知られざる福井の魅力まで、
福井出身の私だからこそ伝えたい
場所やグルメに関する問題を出題していきます。
それでは、ようこそ『福井ふしぎ発見』へ!
まずは福井を代表する名所からの問題です。
サスペンスドラマなどのロケ地にもなったことのある、
あの場所を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
ゴツゴツとした岩が続くダイナミックな景観が特徴で、その昔、乱暴者のお坊さんがここから落ちたことがきっかけで名付けられたといわれているこの場所とは、一体どこでしょうか?
立ち並ぶ岩の柱は、イギリスの世界遺産ジャイアント・コーズウェイを彷彿とさせます。
断崖絶壁の岩に日本海の荒々しい波が打ち付ける様子は、見た人を虜にし、何かを感じさせてくれます。それは自然への畏怖の気持ちだったり、人生の厳しさだったり・・。東尋坊の名前の由来は、昔「東尋坊」という乱暴者のお坊さんが酒に酔っていたところ、恋敵の関係にあった仲間の僧たちにより海に突き落とされたという伝説があり、そこから名付けられたとも言われています。
[詳しく知りたいなら]
福井県坂井市観光ガイド Web 旅ナビ 「東尋坊」
実は、福井には数々の伝説が残る名所が他にもあります。
その伝説の中からクエスチョン!
福井のとある場所にはこんな伝説があります。異国の敵が襲来した時、突然大地が揺れ、一夜にして数千もの松が現れ、その松の木の上に無数の白鷺(しらさぎ)が集まって来ました。これを見た異国の敵は、白い旗を持った数万の軍勢だと勘違いし、慌てて逃げ帰りました。その伝説が残る場所とは一体どこでしょうか?
1.5キロにわたって続く砂浜で、白砂と青松のコントラストがとても美しく、この場所に来ると何をする訳でもなく景色を見ているだけで時間を忘れてしまう。世界遺産・三保の松原(※)と並び、日本三大松原の1つに数えられる。伝説ではあるが、美しく並ぶ松の木に無数の白鷺が停まっている様子を想像してしまう。かなり恐ろしい(笑)
(※)富士山世界文化遺産構成資産登録
[詳しく知りたいなら]
敦賀観光案内サイト 漫遊敦賀 「気比の松原」
他にも福井県の知られざる伝説をいくつかまとめてみました。伝説を訪ねる旅もおもしろいかも!
嫁脅し肉付きの面(あわら市 吉崎御坊 願慶寺)
伝説「人柱お静」(坂井市 丸岡城)
八百比丘尼の伝説(小浜市 空印寺 八百比丘尼入定洞)
福井には全国的にまだまだ知られていない、
でも、その歴史は深く、神秘的で美しい場所があります。
次はそんな、本当はあまり教えたくない
とっておきの場所からの問題です
福井県越前市には、越前打刃物や越前箪笥などの伝統的工芸品があります。
それでは問題です。越前市には、もう一つ伝統的工芸品があり、その産地にある「岡太神社・大瀧神社」は、皆さんの身近な「あるもの」の神様を祀っています。「あるもの」とは一体何でしょうか?
1500年の和紙の歴史を持つ、越前和紙の里。2019 年には創建1300 年を迎え、日本で唯一の紙の神様「川上御前」を祀る「岡太神社・大瀧神社」は、「日本一複雑な屋根」として重要文化財にも登録されており、たいへん見栄えのする神社です。
2024 年に渋沢栄一の紙幣に変更されるというニュースがありましたが、この地には紙幣ゆかりの話もあります。
幕末の志士 坂本龍馬は生前、福井藩士 三岡八郎(由利公正)を新政府の財政担当に推薦していましたが、龍馬の死後、三岡は新政府に参加し、日本発の全国通用紙幣「太政官札」を発行します。この紙幣には最高の品質を誇る越前和紙が用いられ、さらに越前和紙の技法を用いた「白黒すかし」が現在の紙幣にも「すかし」として使われていることから、越前和紙の里は「お札のふるさと」とも言えます。
紙の神様「川上御前」は、大正12 年に東京の大蔵省印刷局抄紙部王子工場にも分祀されています。
なお2020 年大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公 明智光秀ゆかりの話もあり、「明智軍記」には、明智光秀が織田信長に仕える際に「大滝の和紙」を献上したという記載があります。越前和紙の里は、どの時代の歴史ファンにもお勧めの場所です。
ちなみに織田信長の先祖は、福井県越前町にある劔神社の神官であったと伝わります。
[詳しく知りたいなら]
GODDES OF PAPER
越前市観光サイト 紙祖神岡太神社・大瀧神社
続いては、先に出題した
大瀧神社(大瀧寺)を建立した泰澄大師が、
白山信仰の越前での拠点として開いたといわれる
白山平泉寺からの問題です。
白山平泉寺は「〇〇寺」とも呼ばれ、その景観はとても神秘的で静寂に包まれています。その景観を成す〇〇とは何でしょうか?
続いては、ちょっと視点を変えて、
福井に残っていた意外なものに関する出題です!
福井には、日本で初めてトイレとして利用されたことが明らかとなった遺構があります。希少なトイレ考古学の史料として大変注目されていますが、そのトイレ遺構がある場所とは一体どこでしょうか?
戦国大名、朝倉孝景から5代103年にわたり越前を支配した城下町の遺跡。戦国時代の城下町の姿が再現されており、戦乱の世を生きた人たちを感じることが出来る。トイレ遺構は、1979年にトイレの金隠しを発見。日本で初めてトイレ遺構として認められた。トイレを通して、今後明らかになる事実があるかもしれない!ちなみに、白山平泉寺と一乗谷朝倉氏遺跡はともに日本遺産に登録されています。
[詳しく知りたいなら]
福井・勝山 石がたり
ここから3問は、
福井県に存在する「福井の宝」と言える
世界的スポットに関する問題です。
ヒントは世界的に誇れる博物館や、
世界でも他に例のない考古学上の貴重な堆積物、
世界のVIP が注目するお寺です。
巨大な卵の形をした外観が特徴の不思議な建築。これは、日本を代表する建築家・黒川紀章氏が建築を手掛けた建物です。
こちらの建物、実は、世界三大○○博物館のひとつと称される日本を代表する博物館なのですが、その博物館とは一体なんでしょうか?
福井県三方五湖は、ドライブスポットとして大人気!5つの湖の一つ「水月湖」では、世界中が驚く、あるものが発見されました。
その発見により、化石などの年代測定に大いに貢献したとのことなのですが、一体何を発見したのでしょうか?
水月湖の湖底には、世界で唯一、なんと約7万年分もの歳月をかけて積み重なった堆積物の層「年縞」があります。
年縞とは、季節ごとに異なるものが体積することによってできる一年に一対(明るい層と暗い層)の縞が層になったもの。色んな条件が重なり合い、奇跡的に現代に残っているそうです。
45メートルにも及ぶ水月湖の年縞は、7万年分ものデータが蓄積されていて、0.7ミリの縞模様は1年分の時間が記録されているとのこと。100年でたった7センチ・・・。45メートルの縞模様が表す7万年もの時間。
年縞の縞模様を見つめていると、自分が生きる現在は、ほんの一時に過ぎないんだなぁと不思議な感覚になります。
[詳しく知りたいなら]
三方五湖レインボーライン
福井県年縞博物館
福井には、フランスで発行されている旅行ガイド『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』でも二つ星とされた、国内外から注目されるある「お寺」があります。寛元2年(1244年)、道元禅師によって開創された、出家参禅の道場で、今もたくさんの雲水が修行を行っています。さてこのお寺の名前は何でしょう?
それでは最後の問題です。
私のよく食べた故郷を思い出す味です!
カツ丼といえばソース。福井の方達には当たり前となっていますが、福井県民の故郷の味・ソースカツ丼発祥のお店とはどこでしょうか。
皆さんは、何問正解できたでしょうか。
福井に住んでいる人たちはこぞって「福井には何もないよ」と言うんです。
確かに、富士山のような日本人が誰でも知っている自然遺産や、京都の様に有名なお寺がいくつもある訳ではありません。ただ東尋坊、気比の松原の様な自然、一乗谷朝倉氏遺跡の様な歴史的な遺跡、そして地球の歴史をも物語る日本を代表する恐竜博物館など福井にある観光地は多種多様です。そのどれもが訪れる私たちに静かに語りかけてくれます。
福井県人の特徴は、どこかお淑やかで物静かな、そんなイメージがあるのですが、福井の観光地もどこかそんなイメージが重なります。永平寺の禅の修行なんかはまさに”静”の極みですよね。人も場所も静か。けれどその中に力強い信念やパワーを感じる。
東尋坊の荒波は自然の厳しさを感じ、一乗谷朝倉氏遺跡は戦乱の世を生きた人たちを感じ、恐竜博物館や年縞博物館は悠久の歴史の流れを感じる。静かだからこそ感じることが出来、感情が流れて来る隙間があるんだと思います。それが福井の魅力だと思います。
喧騒の中では感じることの出来ない、贅沢な思いを、是非福井に来て感じていただきたいです。
中山卓也